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泥魚亭好日記 〈美しさを楽しみ夢を育てる〉



不二屋

 またぞろ食品会社で消費期限、賞味期限切れの原材料を使った商品作りが発覚し、社会問題になっている。
 ぺコちゃんのキャラクターで有名な不二屋である。子供のころからミルキーという甘いお菓子には随分お世話になっただけに、なんとも切ない事件である。

 不二屋は、何故「不二」屋なのだろうか。創立者が「藤」井さんという方だから、そこから来ているのだろうか。それとも創業した二人の志は一つであったという思いを込めたものなのだろうか。会社の沿革に記載がないためよくわからない。

 「不二」は達磨さんが達観した禅の真理である。二つに見える物事も、それは一つのことの裏表であって、基本的には一つなのだといっている。

 不二家は「儲ける」目的のために「ごまかす」という手段をとった。「儲ける」という目的のためには「美味しい商品」という手段が来なくてはならないが、「ごまかす」という手段をとった。
 目的と手段は二つの事に見えるが、目的は手段を、手段は目的を拘束する。二つのことをひとつのことのように考える。二つを全く別のこととして考えるところに生き方の弛緩が生れ、崩壊が生れる。二項対立的な考え方は正しくない、と達磨さんは言っているのである。

 「正義」のために「人を殺す」。しかし「人を殺す」ことによって得られる「正義」とは何なのか。誰かが「戦争に正義などと言うものはない」と言い切っているが、二元的な考えそのものに矛盾が生れるのである。
 国家が使い分けるダブルスタンダードは、「自国」と「他国」を対立的に捉えるところから始まる。アメリカが核兵器を持つのは平和のためだが、北朝鮮が持つのは戦争のためであるとかである。
「国益」を得ると言う目的の前に、他国の国益も同時に考えるとか、その国益が自国の一部のものになっていないとか、目的と同時に手段の正当性もよくよく吟味することがが必要である。

 達磨さんは「自他不二」の考え方を説く。自他が認め合う、許しあう。二つが「落ち着く」調和を求めて生きていくことの重要性を訴えているのである。
 二つが一つになろうとするベクトル(運動)の中に一つになったイメージが生まれて来る。そのイメージのデザインに向かって努力をする先に、限りなく一つになった二つがある、ということではないか。

 プロジェクトOIJは、「大学再生」と「地域活性化」という二つの目的を持っているが、言うまでもなくこの二つの目的を一つの事として運動をすすめるところに、成功が見えてくると考えている。
by project_oij | 2007-01-16 11:03
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横山征次がOIJの理想をめぐる日々の想いを綴ります

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