泥魚亭好日記 〈美しさを楽しみ夢を育てる〉



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いじめ問題

 いじめ問題は、多くの自殺者を出し、もはや国家的な大問題として連日マスコミをにぎわしている。
 ともかくも自殺の連鎖を食い止めることが急がれ、そのための”対処療法”ばかりが目出っている。止むを得ないとはいえ、根源的な問題に迫る論調が少ないのが気になる。

 70年代に入ってだと思うが、「無責任・無関心・無気力」な若者が多くなったと社会問題になった。「あっしには関わりのねえことでござんす」という木枯し紋次郎がブームを巻き起こしたのもこのころである。
 80年代になると”軽チャ-文化”の時代に入って、テレビには笑いがあふれる。その一方で受験戦争で苛立つ子供が親を殴り殺すような事件がおきる。
 90年代に入ると真剣を売り物にする過激なプロレスや弱い者いじめをお笑いにするテレビ番組が視聴率を稼ぐ。事件の方は、神戸児童連続殺傷事件のような陰惨な事件が発生するようになった。
 そして00年代に入ると、親殺し、子殺しが日常的なニュースになってきた。

 ざっと振返っても、30年以上ほっておいてこういう状況を作り出してきたような気がする。日本人が壊れるのに30年かかったなら、再生していくのにも30年かかる。ホントはゼロ歳児からいかに教育をしていくのかが今問われているのだと思う。

 物質文明の持っている”毒”に気付いてはいても、資本主義の宿命的に持っている”もっともっと”の煽動で、個人の欲望は止まることを知らずに肥大化していく。これから中国などでも同じようなことが起きてくるに違いない。

 自由市場主義とは、セフティーネットを外した優勝劣敗の世界であり、「小さな政府」はその責任は自己にあると言い切っているのである。弱い者は見捨てられていく。

 孤立することは恐い。そんな恐怖感があり、日本の”多数派民主主義”の社会の中では、ともかく多数派にいたいと思い、多数派であることを、そこに属していることを証明するために、”はぐれ者”をいじめる。そこで落ちこぼれたものは、その抑圧をより落ちこぼれたものに移譲する。
 何もこれは子供社会のことだけではない。
 陰惨な事件はかくして”辺境”で多発することとなる。

 いじめの原因は、この社会がいや応なく抱え込んでしまっている根源的な問題である。誰もがその当事者である。そう自覚して自分は何をするべきかを考えるべきである。
 中でも日常において”最大の教育機関”であるTVの責任は大きい。視聴率至上主義によってどれだけの害悪を流しているか。もっともらしくメディアリテラシーの運動をしているなどという言い訳をせずに、リテラシーを育成する誇らしき番組を作って欲しいと思う。

 少なくも自分達の作っている番組内容の意味を問い直すべきである。
お笑い番組の持っている恐ろしさに気付くべきである。
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by project_oij | 2006-12-23 18:25

本社流出

 大阪で話をしていると、大阪停滞の原因として、本社機能がことごとく東京に移転したためであるという話になる。そして、仕方がないね、と溜息の一つもついて議論は停止してしまう。
 つい先日も、繊維業界の大御所と話していて、そんな結論になっていった。大御所は苦々しげに「企画関係の”頭”が東京に行ってしもうて、大阪は考えておりまへんのや。作業だけやっておりますのや」とおっしゃった。

 本社が東京に移転するとは、そういうことなのだろうが、ただ東京で”頭”のある人たちと多く接している自分としては、そんなに優秀な”頭”が東京にあるとはとても思えない。
 むしろ、ルーティーンな、考えない仕事を処理している人ばかりが目立つ。リスクのあることはできるだけ避けたい、確実に利益をあげたい、だから成功した過去のデーターに依存する、権威のある会社の分析に頼る。最初から言い訳の立つように仕事を組立てる。内向きに仕事を考える輩が圧倒的に多いのである。

 確かに本社機能が移転することは大問題で、取り残される方は、物心両面での痛手をこうむることは間違いないだろう。しかしそれで、頭脳まで移転したと考えるのはどうだろうか。

 問題は、流出する”頭脳”の中身にある。東京本社は、アナリストの進言に従って企画を提案し実行計画を立てる。それをただ現場に下ろす、ということをしている場合が多い。かつての陸軍参謀本部と同じであって、現場の感覚を失った「優秀な頭脳」が「正しい」企画と計画を立てるから「成功は間違いない」と考える。間違うのはそれを実行できない現場の力量不足ということになる。かくして東アジアとの”マーケット戦争最前線”にある大阪は精神論で鼓舞されるだけで、力尽き敗れ去っていく……

 かつて官僚のOBの方から、官僚の世界の組織力学を聞いたことがあるが、陸軍参謀本部とよく似ている。企画は立てるが、実行は現場に預け、指導しかしない。官僚の無謬神話もこの構造から生れているように思う。現場に手を染めない官僚に間違うことはほとんどあり得ないのである。
 もちろん、そのような官僚ばかりでないことは言うまでもなく、わがプロジェクトOIJのメンバーである若き官僚たちにそんな無責任な人物は一人もいない。

 大阪は、経営の力学で本社機能を東京に移転せざるを得なかったかもしれないが、頭脳だけが移転することで、東京は、養老孟司氏のおっしゃる『バカの壁』に阻まれて現場感覚を無くした唯脳人間を輩出し、結局は生きた企画力を喪失していっているのではないだろうか。
 
 大阪はない物ネダリや、東京への負い目を捨てて、大阪本来の持っている潜在的なエネルギーを見直し、創作力あふれた「新世界」を大胆に作っていく必要があるのではないか。現場にしっかり足をふんばっている大阪であるからこそ、特異なブランドを生み出すことができるはずである。
 私の指導した大学生達は、大阪の”拘束条件”を十分考えてくれたからこそ、たった1年で「おばちゃんチップス」という素敵な商品(1月中旬グリコ販売)を生み出してくれた。
 少し中休みに入っているが、この辺で大阪は目覚める必要があるように思う。それはまた、日本の各地域に自信を与えていくことになるはずである。大阪は今後「地域チャンピオン」という役割を果たす必要があるように思うのである。

 
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by project_oij | 2006-12-19 19:30


横山征次がOIJの理想をめぐる日々の想いを綴ります
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