泥魚亭好日記 〈美しさを楽しみ夢を育てる〉



<   2006年 04月 ( 6 )   > この月の画像一覧


京都、行こう

 関西の医療少年院で治療に当たっている精神科医の方が、最近の少年犯罪者と接して気のついた事として、次のような特徴を語っていた。
 ①孤立を好む
 ②犯した犯罪の大きさと眼前にいる少年の弱弱しい姿にギャップがある
 ③思い出を語れない
 ④未来像を失っている
 すべて、何となく想像のつく事だが、特に③の思い出を語る言葉を持てない姿に痛ましさを感じる。
 しかし、その姿は彼らの特有の特別な事とは思えない。現代人は、実はみんな「思い出」という物語をあまり持てなくなっているのではないか。デジカメや携帯電話などの進歩で何時でもどこでも瞬間の姿を捉えなんでもかんでも残そうとするが、それがどういうシチュエーションで生まれたのか、語れる事がなかったりするのではないか、という気がする。
 思い出という起承転結を持った「ストーリー」ではなく、発作的な衝動や刺激で人は動いているのではないか。例えば、アザラシがいたといっては川や海に押しかけ「かわいい!」などとバカ騒ぎをするが、一瞬の内に興味は他に移るなどの現象である。

 今盛んに「京都、行こう」というCMが流れる。京都「に」行こうでもなく、京都「ヘ」でも、京都「は」でも、京都「なら」行こうでもない。京都と、思い立ったら行こう、というわけで、いわば”衝動旅行”の勧めである。意識的な方向性や目的性や主体性を示す助詞の欠けたコピーは、現代の衝動的な行動特性を見事についたコピーである。優れたライターの仕事に違いない。
 つまり、現代の多くの情報(特にテレビ情報)は刺激によって欲望などの本能をつかさどる脳幹に働きかけ、理性や創造をつかさどる前頭前野に働きかけてこない。だから、言葉として表現できる記憶として、思い出として残っていかないのである。
 マクドナルドのCMなどはその際たるもので、食べたい衝動に駆られたデパートのエレベーターサービス係りの女性が、お客さんがいるのにドアを閉めたままハンバーガーをむさぼるのである。
 
 現代は情報過多の時代である。ものを買わせることを目的にあの手この手、よってたかって煽りたてる。まだ、「可塑」的な状態にある気弱な少年たちの中に、それによって迷い踊らされ傷つく者が出てきてもちっとも不思議ではないのである。、欲望を煽られているのに、いろいろな意味で「辺境」にいる者たち、実現の可能性を摘み取られている者たちの中から、絶望的な暴発者が生まれるというのも、必然性があるのではないだろうか。
 先の精神科医は、「可塑」的であるがゆえに、全員とはいかないが、自らと向き合い語る言葉を持ち、未来への希望を抱くようになれば、少しずつ回復するという。

 プロジェクトOIJの目的の一つにしている「地域活性化」は、人々が、地元に生きている喜びや生きがいを感じる「いい思い出」を作る運動でもあると考えている。

 
[PR]
by project_oij | 2006-04-23 14:13

三段の壁

 知人のKさんから面白い話を聞いた。
 将棋の羽生名人によると、現在将棋の技量の向上を図るのにネットなどの利用が盛んであるが、才能のある人が努力すれば二段までは昇進できる。しかし、二段と三段の間に厚い壁があってこれをなかなか越えられない。プロとして認められる四段の壁がまた一段と高く難しい。その結果、三段の壁の前後に”大渋滞”が起きている、というのである。
 単に頭のよさや知識の学習でけでは強くなれない勝負の世界の面白さがそこにあるような気がする。

 プロジェクトOIJが設立を目指している産業創出大学は、3.4年生時に徒弟制を導入し、”師匠”から技術だけでなく、考え方や、生き方、立ち居振舞い、話し方、など、全ての”生き様”を学ばせようと考えている。徹底した模倣によってこそ総合的な創出力を見につけることができると考えているからである。
 茂木健一郎さんもおっしゃっている通り、創造が、イメージとイメージの組み合わせによって生まれるのであれば、創造力を高めるためには、イメージ(知識・技術)を豊富にするとともに、「組み合せ方」も学ぶ必要がある。それは経験に基づいて形成されていくもので、”勘”とか”ヒラメキ”とか”読み”いったいわゆる暗黙知といわれるものである。その知の育成は、尊敬する師の姿を見て真似る体験を繰り返し、現場での検証を重ねることで少しづつ成し遂げられていくものに違いない。それこそ、「三段の壁」を越えさせる力であるように思う。

 産業創出大学のビジネスプロデューサー講座などは、できるだけ無料でネット上に展開していき、二段までの指導を行い、三段の壁に挑んでいきたい人が、産業創出大学に入学してもらうようにすると、効果のある人材育成ができるのではないだろうか。早速ネット学習講座に取り掛かりたいと思う。

 4月17日、一橋如水会館に40名の方にお集まりいただき、正式認可の後の第1回プロジェクトOIJの総会を開くことができた。いよいよ本格活動の開始である。
 次回総会に、よい報告が出来るように全力を注ぎたいと思う。会員各位のご協力のほどよろしくお願いしたい。
 
 
[PR]
by project_oij | 2006-04-19 11:42

てっこんさん

 CGアーティストの「てっこん」さんから突然のメールがあった。
もう10年以上前、出版社と組んで育児用CD-ROMを企画して以来の連絡である。
懐かしくてすぐ電話し、翌日会うことにした。

 「てっこん」という珍しい名前は、若き画学生であった彼のために、ある易者がつけてくれた画号である。もともとは漢字であったが、その漢字が気に入らなくて音だけもらって平仮名で表記するようにしているそうだ。
 てっこんさんは、ずっと「ひらけ!ポンキッキ」のCG映像を作っている。その間たくさんのCG短編アニメの他、35体にのぼるキャラクターを作っている。その全体のビジネス展開をプロデュースして欲しいという依頼であった。

 てっこんさんのやさしいお人柄とユニークな発想から誕生した”TEKKON WORLD”の住人たちはとても魅力的だ。ビジネス的な興味もあるが、美しい色彩と不思議な形をした生き物たちに魅せられ、面白いプロジェクトになると思い、すぐOKした。
 てっこんさんの世界は、長新太の絵本のようなファンタジーさと、オノ・ヨーコのようなユーモラスだが本質をズバっとついてくるような鋭さにあふれている。
 35体のキャラクターを生かして、単純でオシャレな話を作り、連続アニメにしたら幼児たちの人気を集めるのではないかと思う。才能のあるストーリー作家を見つけてプロジェクトを組めば、相当面白い仕事になるのではないか。そう思って提案すると、てっこんさんも是非にとおっしゃる。共振し合える人との話は楽しい。どんどん夢が膨らんでいく。

 OIJで企画している幼・小児のための“現代版寺子屋”夢育塾のシンボルキャラクターとしてもいいのではないかと思う。
 教材案もてっこんさんからアイデアをいただいた。
 また、いい萃点に出会えたようだ。
[PR]
by project_oij | 2006-04-10 13:14

キャリア形成

 昨日依頼があって、高校生のためのキャリア指導ビデオの撮影を行った。
「キャリア形成 3つの視点」というタイトルである。出来上がりは30分程度だが、カメラを前にしての撮影はどうもうまくいかない。リテイクの繰り返しで、3時間もかかってしまった。スタッフにはホントに申し訳ない。
 キャリアは、人生、職業、成功など様々に訳されているが、今回は「自分の人生」というような意味で使用した。
 「3つの視点」とは
  ①美しさにこだわる
  ②イメージからはじめる
  ③我(われ)を忘れ、我(が)を捨てる
である。
 ①の美しさへのこだわりとは、美しさを発見し、対象と一体となるようなイマジネーション豊かな生き方のすすめである。そのためにはたたずむ時を持ち、相手を思いやり深く観照し、愛情あふれた生き方をすべきであると。「美」の論理は「生産・消費」の論理によって欲望の権化と化した自己を昇華させ統合する。
 ②のイメージからはじめるとは、ゴールや目標の姿、完成像が明確にならないと、自発的な行動は生まれない。イメージの想起こそが行動への動機付けである。創造はイメージとイメージとの組み合わせである。(脳科学者・茂木健一郎) イメージを抱負にするためには、尊敬できる人に”弟子入り”して徹底的に真似をせよ、と述べた。
 ③の我を忘れ、我を捨てるでは、夢中で生きることの大切さと自己中心的な考えを廃し、「場」=チームやプロジェクトを中心に考えるような生き方をすすめた。
 抽象的な概念を分かりやすく話すのホントに難しい。大学の授業のように90分間あるならまだしも、その三分の一では、"例え話"を入れる時間が全然ないため、大学生に話すよりも難しくなってしまったのではないかと心配である。
 菊池ディレクターの”名人芸”におすがりするしかない。

 私は、そのような生き方によって、価値観を変えることが大切であると考えている。
 その結果、次のような価値観を形成させたい。
  つらいことを楽しく(労働価値観)
  楽しいことを深く(技術価値観)
  深いことを美しく(表現価値観)
である。
 これはプロジェクトOIJの基本的教育理念でもある。OIJでは、小学生のころから少しずつ教えていくような体制を作っていきたいと思う。
[PR]
by project_oij | 2006-04-07 20:27

萃 点

 たくさんのことが集まり交差する点を萃点という。粘菌の研究で高名な明治の天才博物学者南方熊楠は、偶然と必然の交点を萃点といっているようだ。真理の発見とはまさに萃点にある、とは多くの優れた学者たちも吐露しているところである。
 前夜の実験の失敗という偶然がノーベル賞をもたらした。分子の構造が美しかったので、そちらを選んだら大発見につながった。大学の裏庭の土を記念に集めたらその中に新発見をもたらす酵素があったなどなどである。偶然は、必死で研究している者への“神からの贈物“ということかもしれない。

 プロジェクトOIJに奇跡をもたらしている“萃点”があることは、前回述べたとおりである。まだほんの一歩を踏み出したばかりだが、困難と思われていたことに突破口を与える人物が突然登場してくるのである。説明のつかない偶然が重なっている。
 OIJの萃点は、恐らく
  ①実現への強い思いを持続させること
  ②その思いを多くの人に語ること
  ③行動をすることを止めないこと
 によって生まれてくるに違いない。是非ご協力をお願いしたい。
 
 挽地さん、杉崎さん、太田さん、安井さんたちのご協力で、ステキなロゴとホームページが出来上がった。基本コンセプトをしっかり理解していただいた上での作品で、ホントに感激している。
 特に、ロゴマークは、“動いているものをそのまま形にして欲しい”という、無茶な注文であったが、 挽地・杉崎コンビが信じられないようなデザイン力でそれをものにしてくれた。
 どんな必然と偶然が重なって「萃点」が生まれたのか、17日の総会でじっくりお話をお聞きしたいと思う。
[PR]
by project_oij | 2006-04-04 22:45

大器晩成

 養老孟司さんの「バカの壁」「超バカの壁」、そして藤原正彦さんの「国家の品格」が売れに売れている。
ほんの少し前まで、お二人はほとんど無名に近い学者であった。お一人は解剖学、もうお一人は数学者。理学系基礎分野の地味な研究者である。お二人とも理学系である点に現代的な意味を感じる。

 戦後間もなし、哲学者の西田幾太郎の「善の研究」が大ブームを引き起こす。戦争とは何であったのか。人間とは何なのか。人間いかに生きるべきか。日本人は根源的なところで自らにそう問い掛けていた。
 やがて生活を立て直し、豊かな時代が始まると「列島改造論」である。何ができるか、だけを考える時代になっていった。工学や経営学がもてはやされる時代である。
「世界一の時価総額」を手に入れるために何が出来るかだけを考えて躓いてしまった若者も生まれた。

 そして今、理学者のお二人は、人間とは何であるのか、日本人とは何なのかを問いかけている。戦後、焼け野原になってしまった国土を目の前にし、その現実の前でうろたえながら、何をすべきかを考えていた日本人が、間もなく物質的な富を得、より豊かさを求めて、何ができるかを考えた。そして、富だけでは満たされない自分に気づき、殺伐とした現実の中で、結局これは何であったのかと、反省する。
 日本人は、戦後60年を経て、やっとバランスよく、何であるのか、何をすべきか、何ができるのかという問いかけを始めたということではないか。バランスよい問いかけはそれなりに時間がかかる、ということではないのか。

 養老、藤原のお二人とも高齢になってからの“デビュー”である。大器晩成のお二人と言っては失礼であろうか。
戦後の日本も“還暦”を過ぎた。“大器”であるのかどうかは分からないが、我が愛する国家が“晩成”するために全力を注ぎたいと思う。

 プロジェクトOIJの活動を始めてから、いろいろな“奇跡”に出会う。望んでいることを解決してくれる御仁が突然目の前に現れるのである。もう何度もそんなことが起きた。神秘主義者ではないが、何者かが後押ししてくれているような気がする。このプロジェクトを時代が待っていた、ということかもしれない。
 生来楽天的に出来ているので余り信じてくれなくてもいいが、私は今、このプロジェクトOIJは必ず成功すると確信している。

プロジェクトOIJ専務理事 横山征次
[PR]
by project_oij | 2006-04-03 13:36


横山征次がOIJの理想をめぐる日々の想いを綴ります
以前の記事
2007年 07月
2007年 03月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
最新のトラックバック
i get carrie..
from i get carried ..
2006 autodata
from 2006 autodata
テラびしょびしょw
from お・な・に・ぃ
cheap sprint..
from cheap sprint p..
ringtones ci..
from ringtones cing..
numa numa ri..
from numa numa ring..
real ringtone
from real ringtone
Fergie Clums..
from Fergie Clumsy ..
darth vader ..
from darth vader ri..
free wav rin..
from free wav ringt..
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧