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泥魚亭好日記 〈美しさを楽しみ夢を育てる〉



伝えると伝わる

 T大学の春季講座が終了した。いつもは秋季講座としてやってきたが、キャリア関係の講座なので受講生(3学年)たちの就職準備のことを考えて今年から春季講座に変えてもらっった。
そのせいか、例年ほどの切迫感がなかった。バブル期以来の売り手市場になったせいもあるのかもしれない。

 毎回講義終了時にその時間の感想文を書いてもらっている。自分ではなるべく分かりやすく、面白く話しているつもりだが、正直伝わっていることが実に少ない。誤解もある。
 総じて全体として何を言っているのか、理解しようとしている学生がほんとに少ない。講義の始めに、その日のネライを話すのだが、それが頭に入っていない。ちょっと自分で気になったことが頭に残っているだけである。どう聞いてもらってもいいのだから、それはそれでいいのかもしれないが、ただ今年は感想文が去年などに比べると短いものが圧倒的に多い。
 興味のあることが少なく、興味のないものは、聞く側から忘れていってるのかもしれない。

 経済産業省のおっしゃる「傾聴力」が不足しているのだろうか。いや、そもそも傾聴する気がないように思う。一応私語もなく私のほうを見ているので、聞いてくれているつもりでいたが、そうとばかりは言えないようだ。
 私の講義は「傾聴に値しない講義」ということかもしれない。

 伝わる講義とはどんな講義なのか? 恐らく「傾聴」するのではなく「参加創造」する講義
ではないか。
 伝えようと押付けても、そこに全面的に受け入れる構えがなければ伝わらない。全面的に受け入れるとは、自らが伝わる内容に参加して、伝わる内容を共に創造することなのではないか。
教える形を変えない限り、一方的な伝え方では、伝わる講義は完成しないに違いない。
by project_oij | 2007-07-17 16:26
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横山征次がOIJの理想をめぐる日々の想いを綴ります

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