泥魚亭好日記 〈美しさを楽しみ夢を育てる〉



よってたかって

 昨夜の亀田興毅とランダエタとの一戦が大騒ぎになっている。今朝はスポーツ紙だけでなく一般紙も相当のスペースを割いて「疑惑の判定」に異議を唱えている。4万件近くの抗議の電話が放映したTBSに寄せられたそうだ。
 明らかに負けているのに、勝ちと判定する。ホームタウンディシジョンという”えこひいき”を前提に考えても負けている。それほどひどい判定であった。
 商売を考えると無理にでも勝たなければならない、というシナリオがあって、その役柄を19歳の少年が精一杯期待に応えようとしているという姿があった。
 ひどい試合であっても視聴率は40%を越えていたそうだから、関係者はほくそえんでいるに違いない。要するに金のためならなんでもありなのである。

 ヨーコ・オノの古い作品にこんなのがあった。舞台の中央にオノはイスに腰掛けて座っている。すると観客席から入れ替わり立ち代りお客が登壇し、ハサミでオノの洋服を切り取っていくのである。
 やがて洋服は穴だらけになり、手で隠しようがなくなったところでそのパフォーマンス
は終わる。オノの参加芸術性や諧謔性が発揮された秀作であったと思う。
 ハサミを入れる観客は、切り取るのはほんの少しという意識だから、半分ふざけた気分でよってたかって切り取っていく。なんのためらいもなく美味しいところを毟り取って、食い尽くすうちにとんでもない状態を作り出してしまう人間の残酷さ。そんな寓意の込められた作品であった。
 人間の恐さをオノは見抜いていたに違いない。

 亀田興毅のイメージは、メディア、コンビニ、ファッションメーカー、メガネメーカーなど様々な企業に毟り取られていく。それらの企業は”死肉”ではなく粋のいい”生肉”に群がっているのである。
 しかしその生肉が少しでも硬くなったら、即座に捨てられることになるだろう。今、亀田は柔らかい生肉のままでなければなければならなかった。まだ群がっている大人たちは毟り足りないのである。そこに今回の疑惑の判定が生まれる原因があったように思う。

 ちょっと美味しく見えるとよってたかって食べ尽くす。経済合理主義のもとに、日本はあらゆるところでこんな悲劇が起きているに違いない。
 
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by project_oij | 2006-08-03 15:46
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横山征次がOIJの理想をめぐる日々の想いを綴ります
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